メアリー1世

メアリー1世

  • 新女王の凱旋

1553年8月3日、新女王メアリー・テューダーのロンドン凱旋、勝利の入場が行われた。エリザベスは先にロンドン入りして、新女王となる義姉を待ち受けていた。トマス・シーモア卿絡みの一連のスキャンダル以降は、下手な中傷を受けないように質素な装い目立たない生活をしてきたが、義姉の晴れ舞台であるこの日ばかりは、金襴の豪華な衣装を纏い、宝石で着飾って義姉の女王即位に花を添えた。

そこに新女王メアリー・テューダーが到着。こちらは紫色のビロードのガウンに、宝石が散りばめられた紫色のサテンのスカート。やはり高価な宝石がふんだんに使用された胴着や金のネックレスを身に付け、歩兵と騎兵合わせて1000人以上からなる一個師団に守られて、堂々たる女王の風格と共にロンドン市民の前に姿を現した。

義理の妹の出迎えをメアリー・テューダーは大層喜び、馬から降りて抱擁し合い、エリザベスのみならず、お付きの女性たちにも一人ずつ口づけをして愛情と感謝の念を表すほど、ご機嫌であった。母の仇アン・ブーリンの生き形見であるエリザベスだが、不思議なことにこの義妹は、昔から憎しみや恨みの感情が不思議と湧かなかった。

(以下、次回に続く)