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オペラでわかるヨーロッパ史 平凡社新書 加藤浩子

教科書を読むより面白い!

オペラ」を日本の伝統芸能に例えると、歌舞伎に近いかもしれません。

その国ごとの歴史上の事件を題材にして、それに観衆受けするような脚色を加え(もちろん史実を捏造するわけではありません…)、登場人物にも善悪を設定して、時に面白おかしく、時に観衆の涙を誘いながら、歴史劇を楽しむ。時には時代の風潮や、その時の為政者への風刺・批判も含ませながら。

この本は、そんなオペラを通じて、ヨーロッパ史を学ぶ楽しさを教えてくれる本です。

本書で扱われているのは、主にイタリアイギリス(イングランド)、そしてフランス革命。

オペラの作品を通じて19世紀に統一国家が形成される頃のイタリアの社会背景と、それを取り巻くヨーロッパ諸列強の思惑。そして今もイタリアに厳然として残る『南北格差』…。

イングランドが、まだ「大英帝国」ではなく、ヨーロッパ大陸の脇にポツンと浮かぶ小さな島国だった頃、その小国の国際的地位を一躍引き上げたエリザベス1世の、波乱に満ちた生涯

世界史に興味がなくても、ほとんどの人がとりあえず「知っている」大事件・フランス革命。その大混乱の時代に生きて、時代の潮流に翻弄された貴族や庶民たちの悲喜劇。

オペラ作品を通して、歴史の再確認や新たな発見をもたらしてくれる、とても読みやすい本です。

義経や弁慶のことは、教科書よりも「勧進帳」や「太平記

歴史書の「三国志」よりも、物語である劉備や孔明が善玉として活躍する「三国志演義

歴史は物語。「ヒストリー」=「ストーリー」

教科書や研究書を読むよりも、多くの人にとっては小説や歌舞伎、講談の方が歴史に親しみやすい。

ヨーロッパで、その役割を果たしているのが「オペラ」です。

実際にオペラを観劇するしないは別として、歴史を学ぶ面白さ、分かりやすさを教えてくれる本です。

ぜひご一読してみてください!