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ヨーロッパ英雄史小説作家・小園崇文です。

デキるリーダーは歴史に学ぶ!

ヨーロッパ史を図太くしぶとく生き抜いた強運な王たちの物語

煮ても焼いても食えない「狐おばさん女王」・エリザベス1世①・②・③・④・⑤

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エリザベス1世

●捨てる神あれば拾う神あり

1554年1月25日に勃発した「ワイアットの乱」。約3000人の反徒による集団は、たちまち首都ロンドンに迫ります。反乱の首謀者ワイアットはメアリー1世に挑戦状を送り付けるなどの、大胆不敵な行動を採りますが、ロンドン入城の一歩手前で女王側の策略にひっかかり、あえなく逮捕。当然のように処刑。ちなみに先に出てきた「9日間女王」ジェーン・グレイも、父親がこの乱に加担していたために、そのあおりを受けてこの時に処刑されます。「カトリックに改宗すれば命だけは許す」という条件付きでしたが、改宗を拒否。16歳にして大人の都合に振り回された数奇な一生を終えました。

で肝心のエリザベス。首謀者のワイアットからの手紙が発見されたことにより、メアリー1世からの怒りの召還を受けます。ワイアットとの接触のみならず、敵国フランスの大使とも連絡を取り合っていた疑惑まで生じ、メアリー1世は怒り心頭。当初は体調不良を理由にのらりくらりと断り続けましたが、それも度が過ぎると限界。遂に乱の終結から1週間経って召喚に応じ、ロンドンへ向かいます。しかしそれすらも体調不良を理由に、のんびりのんびりと進み時間稼ぎ。エリザベスが後に女王になってから大いに発揮される、この「牛歩戦術」による時間稼ぎ。自分の命を守るために、必要に迫られて自然と身に付けたものでした。

ロンドン塔.jpg

ロンドン塔

ロンドン到着後は厳重な監視付の監禁状態。そこでメアリー1世宛てに助命嘆願の手紙を書きますが、願い空しくその後は悪名高き「ロンドン塔」という監獄に収監されます。通用門はその名も「反逆者の門」。底冷えする床に異様な臭気。投獄されたものはまずほとんど生きては出て来れない、という地獄の墓場のような監獄。「9日間女王」ジェーン・グレイと同じ斬首という運命を歩むことになってしまうのか?何とかして生きてまた太陽を目にすることはできないのか?

ところが、本人不在の下で審理が続けられますが、エリザベス関与という決定的な証拠は遂に現れず。ワイアットがエリザベスに送ったという手紙も遂に見つからず終い。そのうちに「女王の結婚間近に、妹が収監されているのは国の体面として良くない」という政治的な配慮が働き、結局エリザベスは命拾い。しばしロンドン塔に収監された後、またまた地方の屋敷に送り返され、監視付きの生活を送ります。

すんでのところで「強運ぶり」を発揮して命拾いをしたエリザベス。実際のところ、反乱計画に加担していたのかどうか…?実のところ、ワイアットからの手紙を受け取っていたのは本当のようです。ただその手紙に対して、返事は出しませんでした。正確に言うと、手紙ではなく口頭で返事をして証拠を残さなかった。受け取った手紙は当然焼却して証拠隠滅。出した返事も、支持するともしないとも明確にしない、極めて曖昧な返事を出した。要は反乱が成功するとはとても思えず、これに関わったことが発覚したら間違いなく処刑。だが万が一にでも成功した場合の保険として無下にも扱わなかった、というのが真相でしょう。その証拠に、幽閉中の屋敷の窓ガラスに指輪でこう刻んでいます。「私に疑いがかけられているが、何も証拠を引き出せない…

弱冠20歳そこそこにして、このしたたかさ。これもやはり幼い頃からの古典や歴史の学問を通じて、先人の知恵に学んだおかげでしょう。学びは大事。身を助けます。

地方での幽閉生活によって、当面メアリー1世と顔を合わせることはなくなったものの、その関係は今や最悪。女王はエリザベスのことを母の仇にして、自分の王位を危うくする政敵としか思っていません。エリザベスにとってはまさに人生、極寒の真冬の時期。しかも相手が最高権力者であるから、下手な振る舞いをしたら真冬の湖に突き落とされてそのまま上がってこれなくなることは必至。

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フェリペ2世

一方でメアリー1世は、まさに我が世の春を謳歌。反乱は2度も鎮圧。そしてこの年1554年の7月には、肖像画を見て「一目惚れ」した、愛しのスペイン王太子フェリペとの結婚。2人の間に男子が生まれたら、間違いなくエリザベスを押しのけて王位継承者となります。が…。

義姉の結婚相手として、イングランドに上陸したフェリペ王子。はるか後年、アルマダの海戦で雌雄を決することになる因縁の相手ではありますが、この時はエリザベスにとってこのフェリペが救世主、救いの神となります…。

 

続きは次回に。また1週間後の配信です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

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